大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(う)2666号 判決

被告人 渡辺統市

〔抄 録〕

盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第三条は同条所定の前科を有する者が常習として同条所定の犯罪を犯した場合に、その罪に対し刑法所定の刑より重い法定刑を以て処断することを定めたものであつて、同法第二条の規定と対比検討するも、刑法所定の累犯による刑の加重を排した趣旨とは解せられない。また同条は単に所定の前科があることのみを以て重い法定刑を定めたものでないことは、その規定上明らかであるから、同条の法定刑に更に累犯による刑の加重をしたとしても、これにより処罰の重複を来すものとも解せられない。更に本条の規定に該当しない窃盗の犯人が刑法所定の累犯にかかるときは、その規定に従い長期二十年に至るまでの刑期範囲内で処断されることと、本条所定の刑の長期とを対照するも、本条の規定が刑法累犯の規定を排除する趣旨でないことは明らかである。(大審院昭和一四年(れ)第四二八号同年七月一四日第三刑事部判決参照)故に論旨は理由がない。

(坂井 山本長 荒川)

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